職場や自宅でも崩れない姿勢をつくる
姿勢美人養成トレーナー
前迫です。


広島が2年連続でセ・リーグを制し、
改めてチーム強化方針が評価される形となった。
カープはなぜ強いのか。
ひもとくと15年連続Bクラスの時代から
ぶれていない松田元オーナー(66)の
独自理論があった。
昨季の「神ってる」大ブレイクから、
4番でチームの顔になった今季の鈴木の
急激な成長を、松田オーナーも驚く。
強打、強肩、素質もさることながら、
鈴木の人間性にも着目する。
あるとき、オーナーの顔を見て
あいさつを怠った若手選手がいた。
「(オーナーの)顔を忘れている。
それを見て誠也が、また連れてきて
あいさつをさせた。そういうところもある。
まずいなと思ったんだろうね。
その中で若手は学ぶわけだ。
そういう選手同士、先輩が後輩に
教えていくというのが、
うちの伝統の部分じゃないかと思う」
人間性―。例えば練習嫌いであったり、
周囲に悪影響を及ぼすような言動のある選手は
獲得リストに入れないという。
スカウトは視察に出向くとき、
チームメート、監督、コーチとの接し方まで
注意深く見守る。チームでは道を外れる選手が出ないよう、
選手同士で律する空気が流れ、一丸の雰囲気が醸成される。
「いつの間にか最後は性格的にいい子をとってしまう。
ちょっとゆがんだ子、悪げな子がいたとしても、
入ってしまったら、選手同士の中でいい具合にしつけてくれる」
黒田のいない今年のチームは40歳の
大ベテラン新井が、模範となり、いじられ役も引き受ける。
ベンチはいい意味で上下関係の縛りがなく、
アットホームな雰囲気が若手も活躍する好循環となっている。
「見ていると楽しそうにやっている。
ほかのバッターが打ったらベンチの選手が喜ぶし。
あれを好感を持って見ている。
楽しそうにやっているのが、
やっぱりファンに伝わる。ファンが
見ていて、いいなと思うんじゃないのかな」
広島の伝統は、選手を野球漬けにする
「猛練習」だといわれる。キャンプでは、
主力選手でさえ、日が暮れるまで球場を
離れることはない。その姿を若手が目の当たりにし、
「練習をしなければ生き延びられない」という
意識付けが継承されていく。
練習に真摯(しんし)に向き合うことが
できるかも、重視する人間性のひとつだ。
「今はいじられている。だんだん、
いじるような立場になって、
彼がどういう行動をするのかだな」
寮では消灯時間を過ぎてもバットを
振り続けるというエピソードも持つ
誠也のリーダーとしての資質に、
松田オーナーは期待する。(特別取材班)









